CEO MESSAGE CEOメッセージ

ceoメッセージ

「中長期経営計画」の完遂に向けて、
全力で取り組む決意をここに込めて。

商品や製品の価値があっという間にコモディティ化する変化の時代にあって、私たちRYODENはどのような高付加価値をお客さまと共創し、互いの競争力を増強していくべきなのか?物販の枠を超えた事業を、どのような戦略と施策をもって展開していけばいいのか?そして、「未来を共創するエクセレントカンパニー」へと変貌していくのか?さまざまな想いを巡らせながら策定したのが、中長期経営計画「ONERYODEN Growth 2029│2034」です。

この中長期経営計画のコア戦略が、ユニークな発想で高付加価値の持続的な創出をめざす「異質化(Uniqueness)」と、当社の各事業が有するシナジーの横展開や、M&Aなどによる最適結合で新たな価値を創出する「価値結合(Innovation)」です。

「異質化」と「価値結合」の切り口のもとに落とし込んだ各種施策が、早くも実を結んでいます。例えば、従来の「空調」から「猛暑対策」へと発想を転換したソリューションは、当社「冷熱・ビルシステム」事業の好況を後押しいたしました。また、地道に育んできた閉鎖型植物工場は2025年度に黒字転化するとともに、今後さらなる実りが期待されています。

2026年度は、初年度に撒いた変革の種を“利益”という成果に実らせていく重要な年度となります。「人とテクノロジーをつなぐ力で“ワクワク”をカタチにする」というパーパスの完遂のために。そして、100年企業をめざして。なによりも私たち自身がワクワクしながら、中長期経営計画の2026年度に取り組んでいきます。

変革の種を“利益”という成果に転換し、
「中長期経営計画」を加速させる2026年度に。

「未来を共創するエクセレントカンパニー」のビジョン達成に向けて、中長期経営計画「ONERYODENGrowth 2029|2034」がスタートしました。その元年であった2025年度は、一時的な利益変動に左右されない揺るぎなき「事業創出会社」へと成長すべく、さまざまな施策を積極的に展開してきました。

特に単年度だけでなく、中長期経営計画5年間の最終2029年度における目標達成、ひいては2047年の創業100年を見据えた長期的スパンでの成長基盤を構築するために、かつてないスピード感と積極性で先行投資を実施してきました。

そのために販管費も増加したことなどから全社決算では減収減益となったものの、資本効率の向上のために以前から進めていた政策保有株式の売却を加速させた結果、当期純利益は前年比12.2%増の52億75百万円となり、売上総利益も増加(売上総利益率は前年比1.2ポイント増)しました。当社のビジネスモデル、事業ポートフォリオが着実に高付加価値化し、全体として高収益化に変革している手ごたえを実感しています。

事業別に2025年度を振り返りますと、「FAシステム」は計画的な人財投資や戦略的投資を継続するとともに、販売店や盤メーカー向けが堅調に推移したことなどから売上高が増収となりました。「冷熱・ビルシステム」は、空調製品の販売が伸長したことで4期連続で増収増益となりました。「X-Tech」関連では、閉鎖型植物工場がついに年間で黒字に転化、光合成を最適化する技術を活用した受託研究やコンサルティング、テストプラントなどの受注も堅調に推移しました。「エレクトロニクス」は減収となりましたが、特定サプライヤーへの依存から複数のサプライヤーへと営業活動の開拓、深耕を進めたことが売上総利益率の向上に貢献しました。

2026年度は、減収減益さえも覚悟のうえで先行投資した変革の種を大きく実らせ、“利益”というカタチにして収穫していく一年となります。国内外の事業環境の改善、需要の回復、M&A効果の奏功なども見込み、業績は売上高2,520億円、営業利益75億円へと大幅な増収・増益転換を予想しております(2026年7月28日上方修正)。この投資成果の芽生えをきっかけに、2027年度からは営業利益率の上昇へ。そして中長期経営計画5年間の最終3か年においては、成長曲線が急カーブで伸長するものと予想しています。

中長期経営計画イメージ

「異質化」と「価値結合」を切り口として、
「未来を共創するエクセレントカンパニー」へと邁進。

「未来を共創するエクセレントカンパニー」という企業像を明確に描きながら、当社では前中期経営計画に引き続き、中長期経営計画「ONERYODENGrowth2029│2034」においても高収益化と高付加価値化の両面で物販の枠を超えた「事業創出会社」への変革を推進していきます。そのコア戦略として掲げているのが、「異質化(Uniqueness)」と「価値結合(Innovation)」という2つのキーワードです。

「異質化」とは、誰もが発想しえない土俵(マーケット)に果敢に挑戦することで、お客さまや社会に新たな価値を提供する、まさにユニークなビジネス創出への取り組みです。その成功事例が、近年の「猛暑対策」というニーズへの気付きをきっかけに発想した事業化でしょう。従来の空調機では対応しきれなかった体育館や大きな工場、現場の作業場といった「猛暑対策」のソリューションとして、「冷熱・ビルシステム」事業の好況を後押ししました。

また、「価値結合」とは、当社の各事業が培ってきた技術や価値の横展開やM&Aなどにより、新たな価値を創出しお客さまにご提供する取り組みです。例えば製造工場の現場では、生産効率はFAシステムが、エネルギー効率は冷熱システムが担っています。そのために生産ラインを高速化しても空調の冷熱能力が追いつかなければ、余分な電力を消費してしまうという非効率が生じます。工程ごとの最適化から工場全体を俯瞰した最適化へ......そうした現場の効率運用にも、当社は「価値結合」という切り口でお応えしていきたいと思います。

中国赴任中に私は、多くの企業が手段であるサイバーを「インダストリー4.0」の起点とした結果、現場の実態と乖離してしまったケースを目のあたりにした経験があります。手段にとらわれ過ぎると現場から遠ざかりますし、そもそも何を改革したいのかと。現場の課題を起点に着手してこそ、最適な手段が定まるのだと痛感しました。従来の常識や商習慣に囚われることなくニュートラルな視点をもって「価値結合」することで、お客さまが真に求める最適解を提案していくことを私たち固有の強みにしていきます。

未来を共創するエクセレントカンパニー

※「エクセレントカンパニー」とは、RYODENグループとして社内外から上記の認識を持たれている状態と定義しています。

「モノ」を売る、から、
「解決」を届ける成長戦略を次々に展開していきます。

中長期経営計画においては、「異質化」と「価値結合」を事業イノベーションの切り口として5年間で250~350億円の成長投資と約25億円の技術基盤投資を計画しています。「モノ」を売る、から「解決」を届けるというビジネスモデルの構築に欠けているピースを短期間で埋めることで、よりスピード感を持って「事業創出会社」への変革を推進していきます。そのための具体的な重要施策が「M&A」、「SI事業」、そして「フィジカルAI」の推進です。

「M&A」においては、2025年度に三菱電機FA機器の販売代理店事業を北海道三菱電機販売と北弘電社から買収しました。この「M&A」の意図したところは、顧客タッチポイントと将来的な拠点の確保・拡充です。これをきっかけに、より付加価値の高いソリューションを当社事業の横展開で提供していくことで、北海道エリアを起点とした商圏の拡大を図っていきます。

また、欧州ではドイツ・ハノーバーのTOPAS社を子会社化しました。半導体販売と、電話やメール、Web会議といった社内の連絡手段を一つに束ねるソリューションに強みを持つ同社の顧客基盤・技術対応力を取り込み、機能そのものを獲得する投資です。日本・アジア・米国の調達力と、欧州の顧客タッチポイントを相互に活用していきます。

2026年4月に本格始動した「SI事業推進室」を中心に展開するSI事業は、まさに当社の価値リソースを結合した新事業と言えるでしょう。FA、冷熱ビル、エレクトロニクスの各事業が個別に磨いてきた強みを横断的に「価値結合」し、現場起点でのトータルソリューションとしてお客さまにご提案することで、確実な受注と継続収益に結びつけていきます。中堅・中小の製造業を主ターゲットとして2026年度の計画を達成できる見通しです。

ものづくり現場におけるAI活用の明日を先取りして2026年7月に実施したのが、中国・広東蘑菇物聯科技(Mogulinker)と、フィジカルAIの実用化に向けた戦略的提携契約の締結です。空気圧縮機、冷却塔、ポンプ、空調設備といった産業用設備向けの次世代制御ソリューションを共同開発し、工場全体のエネルギー効率向上を目指します。現場のフィジカルデータとAIを結びつけ、機器の販売からデータ活用によるリカーリング型のビジネスを推進していくこの試みも、ものづくり現場に精通した当社の技術的知見と、フィジカルAIを牽引する広東蘑菇物聯科技の強みを「価値結合」した事業モデルといえるでしょう。

「人財」を推進力に、
一丸となって目標達成に取り組んでいきます。

「人とテクノロジーをつなぐ力で“ワクワク”をカタチにする」という当社のパーパスを達成するためには、なによりも社員自身がワクワクと心ときめかせながら、いかに価値を提供するかを主体的に考え、積極的にチャレンジする集団になる必要があります。

そこで中長期経営計画では、「エンゲージメントスコア」の向上、D&I(ダイバーシティー&インクルージョン)の推進、女性管理職比率の向上、従業員一人当たりの育成投資額アップといった人的資本マネジメントを積極的に展開していきます。

2025年4月より、当社では「人材」の表記を「人財」に統一しました。まさに企業躍進の財産である社員に対し、私は新たなニーズの「発掘」と取り組みの「発想」、それを具体的に落とし込む「発案」とその「発進」、そして具体的な効果の「発揮」と「発展」という「六つの発」を、変革の行動指針として伝えております。

2027年4月には、チャレンジへの評価を主眼とした新人事制度を導入いたします。管理職も含めて「手挙げ」を基本とし、失敗を恐れずチャレンジしていく社内風土を定着させることで、100年企業への原動力、推進力としての「人財力」をさらにパワーアップさせていきます。

3つの強みと6つの発 代表取締役社長 富澤克行

資本効率を向上し、株主還元を強化。
ステークホルダーの皆さまの期待にお応えいたします。

財務のさらなる健全化も、中長期経営計画の重要戦略の一つです。具体的には、営業利益135億円、営業利益率5%以上という目標を設定いたしました。チャレンジフルな目標値でございますが、事業経営の高付加価値化、高収益率化を加速させながら果敢に挑んでゆく所存です。

資本収益性を高めるうえで私が最も重視しているのは、「稼ぐ力の強化」と「バランスシートの最適化」です。「稼ぐ力」については、2025年4月に導入した「ROIC管理指標」を軸とします。また、ROICを各事業への投資とリターンを測る物差しとし、最適な事業ポートフォリオを構築する評価軸として活用したうえで、成長投資を最優先としつつ負債の積極活用を含めた「バランスシートの最適化」を進めていきます。

株主さまへの還元についても、新たに「累進配当」を導入し強化いたします。中長期経営計画期間中の到達目標として、「DOE4.5%以上」を掲げました。また、2027年3月期の1株当たりの年間配当予想額は、前期から32円増配の170円(※)といたしました。

社員一人ひとりが「六つの発」を自らのものとし、失敗を恐れずチャレンジを重ねることで、私たちは「未来を共創するエクセレントカンパニー」へと躍動してまいります。これからも私たちRYODENは、変革への歩みをゆるめず、お客さまやパートナーの皆さまとともに、持続可能な社会の実現と新たな価値の創造に挑み続けていきます。RYODENの次のステージに向けた挑戦と、未来を創る確かな歩みにぜひご期待ください。

ステークホルダーの皆さまにおかれましては、引き続き温かいご支援とご指導を賜りますようお願い申し上げます。

※2026年10月1日を効力発生日とする株式分割換算前の金額です。

代表取締役社長 富澤克行